GUNDAM METAVERSE PROJECT

終了しました

デジタルジオラマ
ピックアップインタビュー

ガンダムメタバースでは、GBWC 11th TOURNAMENT受賞者やプロクリエイターのガンプラ製作に関するインタビュー記事を6本掲載しています。
今回はその内の1本をピックアップ!

出撃前の喧騒を切り取ったディオラマができるまで

聞き手/ホビージャパン編集部・大松(2月収録)
GBWC11th TOURNAMENT
日本チャンピオンmorish/もりっシュ氏インタビュー
世界一のガンプラビルダーを決めるコンテスト「GUNPLA BUILDERS WORLD CUP(以下GBWC)」。今回、ホビージャパン編集部協力の元、2023年に開催された第11回大会の日本チャンピオンmorish/もりっシュ氏(以下morish氏とする)に対するインタビューを敢行した。エアブラシを用いず、缶スプレーと部分塗装だけで仕上げたという驚きの事実や、普段の製作環境についても詳しく取材いただいている。
また本インタビュー記事の最後にはGBWC審査員のひとり、ホビージャパンの編集長・木村氏によるコメントも掲載されている。ぜひ最後までご覧いただきたい。

こだわったポイント

質問

第11回GBWC日本大会の優勝を飾った本作品ですが、morishさんなりにこだわったポイントを教えていただいてもよろしいでしょうか。

回答

ベースの機体(HGスタークジェガン)の良さが消えないように色の組み合わせやパーツの選択にこだわっています。ディオラマに登場するピットクルーたちにもこだわっていて、実際のアメリカ空母の作業員に倣って黄色は作業員、グレーはパイロット、といった感じで役割によって色を変えています。
また、コクピットにはどうしてもパイロットを入れたかったので、強度確保のために胸部から腰部まで1本太い軸を通したうえで球体ポッドを取り付けました。

質問

ガンダムメタバースでは、この作品のどういった部分に注目して見てほしいですか?

回答

アバターを使って、ディオラマ内にいる人たちと同じ目線で作品を見てほしいです。というか私もそうやってこの作品を見たいです(笑)。

質問

GUNDAM FACTORY YOKOHAMAのような感じで、デッキのようなところに居る人と一緒にスタークジェガンを眺めたいですね。

回答

そうですね。ぜひ作品のスケール感を感じてほしいですし、コクピットの横で記念撮影してほしいです。

限られた環境で缶スプレー塗装を極める

質問

かなりきれいな塗装面で塗り分けも非常に丁寧な作品ですが、塗装はエアブラシを使っているのでしょうか?

回答

いえ。基本塗装は缶スプレーで、細かい部分は筆塗りで塗装しています。

質問

缶スプレー塗装だったのですか!!?缶スプレー塗装はお手軽な分、細かい調節が難しいと思うのですが。

回答

均一に塗装できるエアブラシもいつかやってみようと思っているのですが、しっかりした環境が整っていないのでまだ試せていません。今は限られた環境でできる限りの模型製作をしています。

質問

缶スプレーでこれだけの塗り分けとなると、製作はかなり大変だったのではないでしょうか?

回答

そうですね。特に天気予報(気候と気温)はいつもチェックして塗装しています。ベランダで塗装しているので、夏は暑くて虫は寄ってくるし、冬は寒くてどうしようもないし……という感じです(笑)。ただ、今はプラモを作ることが習慣になっているので、大変ではありますが特段苦もないですね。

質問

脱帽です。本作品は缶スプレーで塗装するすべてのモデラーさんに勇気を与えてくれるものだと思います。

回答

そう言っていただけてとても嬉しいです!

模型との出会い

質問

プラモデルはいつから作り始めましたか。

回答

私の祖父が、木を削って五重の塔を作ったりするくらい細かいものを作るのが好きな人だったので、小さい頃から身近にはたくさんの模型がありました。そういうのを見ていたので小さい頃は飛行機のプラモデルもよく作っていました。
そんなとき、『機動戦士ガンダムSEED』が流行り、そしてガンダムシリーズにハマりまして、気が付いたらガンプラを作りまくっていました。

質問

ミキシングについてはいつ頃からされていたのですか?

回答

いつだったか、アストレイブルーフレームセカンドLを見て「カッケー!!」となったのですが、当時キット化されていなかったので「自分で作ろう!」と思い、初めてミキシングをしました。それからはずっと素組みがメインだったのですが、また最近本格的にミキシングを始めました。

妄想が捗るディスプレイ作り

質問

本作品のディスプレイは格納庫をイメージされていると思うのですが、何か参考になったイメージなどはあるのでしょうか。

回答

GBWC2018大会の世界チャンピオンであるウツギさんの作品「ガンダムエクシアリペアⅡー胎動ー」を見て、これは凄い作品だと思い、この世界に挑戦したいと思いました。

質問

本作品のディオラマは本体のスタークジェガンと同じタイミングで製作を始めたのですか?

回答

いえ、先にスタークジェガン本体が完成しまして、それをGBWCに応募するために追加製作を行いました。別のコンテストで、川口名人からアドバイスを受ける機会がありその助言を参考にしつつ、作品をGBWC用にブラッシュアップしていきました。
塗装後の改造となったので色々と大変でしたが、まずはコクピットに人を搭乗させることに挑戦しました。そこから「コクピットだけに人がいるのはおかしいよな?」となり、だんだん人が増えていき、最終的に今の形に完成しました。

製作のアイデアや参考になるもの

質問

今回台座には結束バンドなどさまざまなマテリアルが使われていますが、いつもこういった特徴的なアイテムを使われているのですか?

回答

そうですね、普段の製作でも日常にあるものを結構取り入れています。100円ショップで購入したアイテムも結構使っています。この作品でも、本体とベースをつなぐケーブルなんかはイヤホンのコードだったりしますよ。

質問

創作の参考にしている事があれば教えてください。

回答

工事現場の重機や、自衛隊の軍用車両などを見てインスピレーションを受けています。質感や機材の配置などは現実の物を観察することで、普段使っているとどう汚れるのか、どう傷がつくのかなどを見ています。それで言うと、今回の“格納庫”という設定のディオラマでは特に自衛隊車両のような、“基本は汚れたままにはせずキレイにしているけれども残ってしまう汚れ”をうまく再現できるよう頑張りました。

質問

morishさんは普段、どのようにプラモのアイデアを出しているのでしょう?

回答

そうですね〜……。常に模型のことを考えているので、無理にアイデアを絞りだそうとすると逆に出てこなくなってしまいますね。私の場合、選択肢が多すぎると可能性が狭められてしまうんです。なので、限られたものから選定したほうが私はいいものが作れる気がします。

GBWCへの思い

質問

挑戦する人への一言をお願いします。

回答

私がGBWCに挑戦した理由って、実はファイナリストに選出された人が貰える“盾”がどうしても欲しかったからなんです。私の場合こんな感じだったんですが、当然参加する目的は人それぞれだと思うんです。だからこそ、ぜひその目的に向かって、自分の“好き”を突き詰めてみてください。
それと、締切ギリギリに詰め込むとどうしても悔いが残ると思うので、提出はお早めに!

GBWC審査員 ホビージャパン編集長 木村氏のコメント

回答

宇宙世紀系の機体パーツを組み合わせたミキシング作品ですが、ゴチャゴチャ感はありつつもバランスよくまとめられています。まわりのフィギュアたちの配置もバランスよく、整備中の喧噪も感じられるストーリー演出も巧い!!

TOP